糸リフトと脂肪吸引の違い

「切らずに小顔になりたい」そんな願いを叶える美容施術として注目されているのが、糸リフトと脂肪吸引です。どちらも輪郭改善に効果的ですが、施術方法やダウンタイム、持続性などに違いがあります。

この記事では、糸リフトと脂肪吸引の違いについて、多方面から比較します。

糸リフトとは

糸リフトは、コグ（棘状の突起）がついた医療用糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や脂肪を持ち上げる施術です。こめかみや耳の前などから糸を挿入し、引き上げた状態で固定することで、フェイスラインをシャープに整えます。

使用する糸は、吸収性のある「溶けるタイプ」が主流です。体内に吸収される過程でコラーゲン生成が促進されるため、肌のハリ感アップにもつながります

脂肪吸引とは

脂肪吸引は、皮下脂肪を直接除去する施術です。顔の場合、頬やあご下などに細いカニューレ（管）を挿入し、余分な脂肪を吸引することでフェイスラインを整えます。

脂肪細胞そのものを取り除くので、お顔のボリュームを根本的に減らすことが可能です。また、ダイエットでは落としにくかった部位の脂肪を狙って除去できるのも、脂肪吸引の大きなメリットとなっています。

輪郭を変えるなら？
5つのポイントで比較

ひとくちに小顔を目指すといっても、脂肪の多さやたるみの強度によって合う施術は異なります。ここからは効果や即効性、ダウンタイム、持続期間、値段の5つのポイントで比較をしていきましょう。

効果を比較

糸リフトの効果

糸リフトの最大のメリットは、たるみの引き上げです。皮膚や脂肪を糸で持ち上げることで、フェイスラインを引き締め、小顔に見せる効果があります。さらに、コラーゲン生成が促されることで肌質改善も期待できます。

「加齢とともに輪郭がぼやけてきた」「ほうれい線が目立つようになった」という方は、糸リフトが適している可能性が高いです。一方で、糸リフトは脂肪そのものを減らすことはできないため、脂肪が厚い方では十分な小顔効果が得られない可能性があります。

脂肪吸引の効果

脂肪吸引は、脂肪が原因の丸顔や二重あごに効果的です。余分な脂肪を吸引することで輪郭がスッキリするため、物理的に小顔へと近づけることができます。

ただし、除去する脂肪の量が多かったり、お肌のハリが低下していたりする場合は、脂肪吸引後に皮膚が余ってしまうリスクがあります。たるんで老けた印象になるのを防ぐため、タイトニング効果のある糸リフトやHIFUを併用することも多いです。

効果が出るまでの時間
（即効性）を比較

糸リフトの即効性

糸リフトは、施術をした直後から効果を感じやすい施術です。術後の腫れやむくみが強いと効果を実感しにくいこともありますが、1～2週間ほど経過すれば、腫れが落ち着いてフェイスラインが引き締まります。

施術から1か月ほど経つと、コラーゲンの増生によって肌にハリと弾力が生まれます。この時期がもっとも糸リフトによる小顔効果を実感できるでしょう。

脂肪吸引の即効性

脂肪吸引の施術直後は、脂肪自体は減っているものの、腫れや内出血で仕上がりが隠れてしまうことがほとんどです。細くなったと感じるのは術後1か月くらいから、さらに引き締まって輪郭が完成するのは術後2～3か月以降が目安になります。

脂肪吸引は施術部位が落ち着くまでにかなり時間がかかるため、即効性という点では糸リフトが優位です。

ダウンタイムを比較

糸リフトのダウンタイム

糸リフトのダウンタイムにおける症状は、主に腫れ、むくみ、内出血、施術部位の痛みなどです。施術直後から翌日までは、麻酔による腫れがとくに強くなります。

術後1週間になると、大きな腫れや内出血はほぼ消失し、素顔でもほとんど分からなくなります。ただし、口を大きく開けたときの突っ張り感は数週間続くことがあります。

脂肪吸引のダウンタイム

脂肪吸引のダウンタイムにおける症状は、腫れ、むくみ、内出血、拘縮などです。
拘縮とは、皮膚や皮下組織が硬くなる症状のことです。脂肪が取り除かれたあとの空間に新たな組織が生じると、硬化してつっぱるような違和感や肌の凸凹感につながります。

腫れやむくみは術後2週間ほどすれば消失しますが、拘縮は術後1か月後からはじまり、術後3～6か月頃に落ち着くことがほとんどです。あご下の脂肪吸引の場合、ダウンタイムを軽くするためにフェイスバンドを使用します。

持続期間を比較

糸リフトの持続期間

個人差がありますが、糸リフトの効果が続くのは半年〜2年程度です。糸が吸収される過程でコラーゲンが生成されるため、糸が消失した後もしばらくはハリや弾力が残ります。

糸リフトの効果は一度の施術で長期に続くものではないため、整ったフェイスラインを維持したい場合は定期的に施術を受ける必要があります。

脂肪吸引の持続期間

脂肪吸引をした部位は脂肪組織が再生されにくいため、一度施術をすれば数年後でも効果が持続するといわれています。急激な体重増加で残った脂肪細胞が肥大することはありますが、よほど極端なことがなければ基本的には維持されます。

糸リフトのように繰り返し施術を受けなくてもよい点は、脂肪吸引の大きなメリットです。ただし、加齢によってフェイスラインがたるんでくる可能性はあります。

値段を比較

糸リフトの値段

糸リフトの値段は、1本あたり1〜10万円が相場です。小顔効果を出すには複数本の糸を使用する必要があるため、合計で20〜50万円前後を見込んでおく必要があります。

また、同じ種類の糸や本数でも、クリニックによって値段が大きく変化する点に注意しましょう。

脂肪吸引の値段

顔の脂肪吸引の値段は、1部位で5～20万円が相場です。頬・あご下の両方を脂肪吸引する場合は、20〜40万円前後が目安になります。

広範囲にわたって脂肪吸引を行う場合、さらに高額になることもあります。

糸リフトと脂肪吸引の
違いまとめ

糸リフトと脂肪吸引はどちらも輪郭を変える場合に効果的ですが、アプローチできる悩みに違いがあります。
たるみを改善して輪郭をすっきりさせるなら糸リフト、ボリュームダウンで小顔を目指すなら脂肪吸引が適しているでしょう。

ダウンタイムが短く、すぐに効果を感じやすいのは糸リフトです。ただし、効果を持続させるには定期的に施術を受ける必要があります。

根本的に脂肪を減らし、長期的に効果を維持できるのは脂肪吸引です。一方でダウンタイムが長く、拘縮が落ち着くまでに時間がかかります。

それぞれのメリットとデメリットを把握し、自分に合った施術を検討しましょう。

糸リフトと脂肪吸引を
するなら
同時がいい？

糸リフトと脂肪吸引を併用したい場合は、同じ日に施術をするのが効果的です。脂肪吸引でボリュームを減らし、糸リフトでたるみを引き上げることで、引き締まったフェイスラインを形成しやすくなります。

同時に施術するメリットは次の通りです。

糸の負担が減る

脂肪吸引をしておくと、皮下組織の重みが減って糸に負荷がかかりにくくなります。これにより、糸リフトの持続時間をより長持ちさせる効果が期待できます。

癒着によって理想の位置を
キープしやすい

脂肪吸引をした後は、皮下組織の中に空間が生じます。この空間を糸リフトで引き締めると、リフトアップした状態で広範囲に癒着が起こるため、施術で整えた輪郭をより長期間キープしやすくなります。

ダウンタイムを短縮できる

脂肪吸引後はダウンタイムが比較的長いですが、糸リフトで空間を引き締めることで組織が形成されやすくなり、結果的にダウンタイムを短縮できる可能性があります。

ただし、同時施術のデメリットとして「術後の痛みが強くなる」ことは考えられます。また、年齢が若い方でたるみがほとんどない方は、高額な費用のわりに十分なメリットが得られないかもしれません。

同時施術が効果的かどうかはお顔の状態や悩みによって異なるので、カウンセリング時に医師とよく相談しましょう。